赤ちゃんと子どもの「便秘」:ただの体質と侮れない?見極め方とホームケア
「そういえば、もう何日もウンチが出ていない……」「いつもウンチのときに真っ赤になって苦しそうに泣く」。乳幼児の便秘は、多くの親御さんが直面するよくある悩みのひとつです。子どもの便秘は「ただの体質だから」と放置してしまうと、慢性化して治りにくくなることがあります。今回は、見落としがちなサインや受診の目安について解説します。
これって便秘?回数だけではないチェックポイント
「毎日出ていれば便秘ではない」とは限りません。たとえ毎日出ていても、以下のような状態であれば便秘と診断されることがあります。
- ウンチがコロコロと硬く、出すときに痛がったり泣いたりする
- ウンチのときにいきむが、少ししか出ない
- お腹がパンパンに張っていて、機嫌が悪い、食欲がない
- おしり(肛門)が切れて、ウンチに血が混じっている
赤ちゃんは生後2〜3ヵ月頃になると、腸にウンチをためられるようになるため、急に出る回数が減ることがあります。回数が少なくても、本人が機嫌よく、授乳や離乳食もいつも通り摂れていて、出すときに苦しそうでなければ過度な心配はいりません。
なぜ乳幼児は便秘になりやすいのか
子どもの成長過程には、便秘になりやすい「3つの時期」があります。
- 母乳からミルクへの変更、または離乳食の開始期:腸内環境や水分のバランスが変化するため。
- トイレットトレーニング期:失敗を怒られたり、うまく出せなかったりした経験から、ウンチを我慢してしまうようになるため。
- 幼稚園や保育園への入園期:環境の変化によるストレスや、おうち以外のトイレで恥ずかしくて我慢してしまうため。
ウンチを我慢すると、腸の中で水分が吸い取られてさらに硬くなります。硬いウンチを出すときに痛い思いをすると、子どもは恐怖でさらにウンチを我慢するという「悪循環」に陥ってしまいます。
病院を受診する目安と医療機関での治療
以下のような症状が見られる場合は、早めに小児科を受診してください。
- 綿棒浣腸などホームケアをしても5日以上出ない
- 激しい腹痛や嘔吐(おうと)を伴う
- 体重が増えない
- 生後すぐ(生後24〜48時間以内)に最初のウンチ(胎便)が出なかった
多くの場合は、小児科でマッサージの指導を受けたり、ウンチを柔らかくするお薬(緩下剤)を使って治療します。
ただし、まれに生まれつき腸の神経が足りずに激しい便秘を起こす「ヒルシュスプルング病」などの先天性疾患や、肛門の位置の異常などが隠れていることがあります。内科的な治療で改善しない場合や、こうした特殊な病気が疑われる場合は、小児外科と連携して精密検査や専門的な治療を行います。
まとめ
子どもの便秘治療のゴールは、「痛がらずに、毎日〜2日に1回、バナナ状のいいウンチがスルッと出ること」です。そのためには、お薬を上手に使いながら、まずは「ウンチは痛くない、怖くない」とお子さまに安心してもらうことが大切です。
「たかが便秘」と思わず、お子さまが苦しそうな様子を見せたら、どうぞお気軽に当院へご相談ください。専門知識に基づいた確かな医療で、お子さまとご家族の健やかな毎日をサポートいたします。